熊野古道 中辺路ルートを難易度で分類してみようと思います。
難易度がわかれば・・・
・どんな靴を履いていけばいいか?
・初心者だけど、このルート歩けるの?
・どのルートを歩こうか?
の参考になります。
では、見ていきましょう!!
*主に路面の状態と歩行時間で分類しています。
熊野古道中辺路ルートの分類
熊野古道 中辺路ルートは分類すると、街中ルートと山道ルートに分けられます。
さらに、山道ルートは、山道+舗装された道路と山道のみのルートにわけられます。
街中ルート
街中ルートは、街中を歩くルートです。歩道があることが多く、歩きやすいです。
道中には、ほぼお店があるので、気軽に歩くことができます。
街中の道路
「熊野古道を歩いている」という感じは少なく、散歩に近いです。
山道+舗装された道路のルート
山道+舗装された道路のルートは、山道と舗装された道路を通ります。
舗装された道路を通るので、体調不良などの不測の事態の時には、途中で脱出できます(路線バスが通るかどうか?の問題はあります)。
舗装された道路
「熊野古道を歩いている!」と感じたいのであれば、「峠」や「~越え」のあるルートを歩くのがおすすめです。
北郡越え
山道ルート
山道ルートは、全て山道のルートです。
このルートは、1時間以上歩く必要があり、途中で脱出できないです。
「街中」のルート
紀伊田辺駅~秋津王子~万呂王子
紀伊田辺駅~秋津王子~万呂王子の区間は、熊野古道 中辺路ルートの中でも賑やかな区間になります。
田辺市の繁華街や大きな道路を歩くルートになっているので、街歩きに近いです。
急な坂道もなく、普段着でも十分です。
紀伊田辺駅から高山寺へ向かう道中
道中は大型スーパーやホームセンター、飲食店があるので、飲料水や食料には困りません。
また、お土産も簡単に手に入ります。
農産物が手に入るJA紀南 ファーマーズマーケット紀菜柑
この区間は温州みかんの産地である事や紅葉を考えると、11月下旬あたりに歩くのが理想的です。
南高梅の産地でもあるので、花が咲く、1月下旬から2月中旬に歩くのもよいでしょう。
秋津王子から万呂王子への道中
稲葉根王子~一ノ瀬王子~鮎川王子
稲葉根王子~一瀬王子~鮎川王子の区間は、道路を歩くルートになっているので、街歩きに近いです。
一瀬王子から鮎川王子への道中
興禅寺を経由では、坂道を少し歩きますが、それ以外の場所は、急な坂道もなく、普段着でも十分です。
興禅寺の周辺の道路
道中はスーパーや飲食店があるので、飲料水や食料には困りません。
この区間は桜がたくさん植えられているので、4月上旬に歩くのが理想的です。
稲葉根王子から一瀬王子への道中の桜並木
【おすすめの靴】
紀伊田辺駅から歩道がある場合が多く、運動靴であれば十分です。
極端な話、スーツ用の革靴でも十分歩くことができます。
「山道 + 舗装された道路」のルート
万呂王子~三栖王子
万呂王子~三栖王子の区間は、ほぼ舗装された道路となっています。
万呂王子から三栖王子までの道中
三栖王子の直前に山道となっており、5分程度山道を歩く必要はありますが、しんどい事はありません。
三栖王子の手前の山道
道中はスーパーがあるので、飲料水や食料には困りません。
この区間は南高梅を植えているので、花が咲く、1月下旬から2月中旬に歩くのがよいでしょう。
三栖王子~八上王子【岡越えあり】
三栖王子~八上王子の区間は、「岡越え」と呼ばれている通り、山道が大半を占めています。
急な下り坂(これ以上の急な下り坂はないです)
また、舗装された道路もアップダウンのある道なので、軽く汗をかきながら歩く感じです。
舗装された道
道中を歩いている人はほとんどいないと思うので、注意が必要です(梅農家さんはいるかもしれないですが)
梅畑の横の山道
スーパーはないので、飲料水などの準備が必要です。
この区間は南高梅を植えているので、花が咲く、1月下旬から2月中旬に歩くのがよいでしょう。
八上王子~稲葉根王子【稲葉根峠あり】
八上王子~稲葉根王子の区間は、舗装された道路が2/3程度を占めています。
八上王子から稲葉根峠の入口までの道中
しかし、稲葉根王子直前に急な坂道の「稲葉根峠」を15分位歩く必要があります(峠を迂回するルートもあります)。
稲葉根峠
スーパーは稲葉根王子の近くにありますが、それまでの道中はないので、飲料水などの準備が必要です。
この区間は南高梅を植えているので、花が咲く、1月下旬から2月中旬に歩くのがよいでしょう。
鮎川王子~滝尻王子【北郡越えあり】
鮎川王子~滝尻王子の区間は、鮎川王子から北郡越え(北郡押印所)までは38分ほど緩やかなアップダウンの舗装された道路を歩きます。
鮎川王子から北郡越押印所までの道中
北郡越え(北郡越押印所から北郡バス停まで)はアップダウンの緩やかな山道を時間15分ぐらい歩きます。
北郡越え
北郡越えのしんどい登り坂(そこまではきつくない)
北郡越えを歩き終えると、滝尻王子までは舗装された道路を歩くのでしんどくはありません。
清姫の里の墓所から16分ぐらいはアップダウンの舗装された道路となっていますが、そこまでしんどくはありません。
清姫の墓所から先のアップダウンのある道路
スーパーは道中にないので、飲料水などの準備が必要です。
この区間は桜を植えているので、花が咲く、4月に歩くのがよいでしょう。
近露王子~比曽原王子~継桜王子~中川王子~小広王子
近露王子~比曽原王子~継桜王子~中川王子~小広王子の区間は、ほぼ舗装された道路となっています。
近露王子から比曽原王子までの道中
この区間は、上り坂が中心の区間になります。
近露王子~比曽原王子の一部が山道となっています(一瞬で歩き終わる)。
楠山坂登り口からの山道
近露王子~比曽原王子の区間の舗装された道路は、急な上り坂となっています。
近露王子から比曽原王子までの道中の急な上り坂
スーパーは道中にないので、飲料水などの準備が必要です。
この区間は継桜王子の近くの秀衡桜が開花する3月下旬~4月上旬に歩くのがよいでしょう。
継桜王子から中川王子までの道中
発心門王子~水吞王子~伏拝王子~祓殿王子~熊野本宮大社
発心門王子~水吞王子~伏拝王子~祓殿王子~熊野本宮大社の区間は、山道と舗装された道路が半々ぐらいです。
全体的に緩やかな道が多く、また道幅も広いのでとても歩きやすいです。
発心門王子から水吞王子までの道中
水吞王子から伏拝王子までの道中
伏拝王子から祓殿王子までの道中
一番の悪路
山道もありますが、道中に自動販売機や綺麗な休憩所・トイレがあるので、とても歩きやすいです。
【おすすめの靴】
山道 + 舗装された道路のルートはローカットやミドルカットの登山靴の方が歩きやすいと思います。
発心門王子~水吞王子~伏拝王子~祓殿王子~熊野本宮大社のルートは人気があり、とても整備されているので、運動靴でも大丈夫だと思います。
稲葉根峠はあまり時間はかかりませんが、北郡越えは歩く時間が長いので、ミドルカットの登山靴の方が良いかもしれません。
後々、難易度の高い熊野古道を歩きたいのであれば、ミドルカットの靴がおすすめです。
私はこの登山靴を使用しています↓
「山道のみ」のルート
滝尻王子~不寝王子~高原熊野神社
滝尻王子~不寝王子~高原熊野神社の区間は、とにかく急な山道となっており、ほぼ上り坂になっています。
滝尻王子から不寝王子までの区間を見下ろした図(ちょうどよい上り坂の写真がなかった)
とにかく上り坂が大変で、足元に注意しながら上がらないといけません。
なめてかかるとえらいことになります。
高原熊野神社に到着するまで1時間52分ぐらいかかりますが、道中に道路に脱出する場所はほとんどない(古道が丘へ抜ける道もあるが、結構急です)。
古道が丘に向かって脱出する道
飲料水、食料は準備していかないといけません。
高原熊野神社~大門王子~十丈王子~大坂本王子~近露王子
高原熊野神社~大門王子~十丈王子~大坂本王子~近露王子の区間は、ほぼ山道で3時間41分ぐらい歩く必要があります。
途中で脱出する場所は、大坂本王子の少し先だけです。しかも、そこまで歩けば、18分ぐらいで近露王子まで歩けるので、ここで脱出するのはおすすめしません。
高原熊野神社~大門王子までは上り坂が中心となっています。徒歩で37分くらいかかります。
高原熊野神社から大門王子までの上り坂
大門王子から十丈王子までの道中
十丈王子を少し越えると下り坂になっていきます。
大坂本王子の周囲は小川が流れており、湿気が多いです。雨が数日前に降っていれば地面がぬかるんでいる可能性があるので、注意が必要です。
大坂本王子の周辺
近露王子の直前には石畳の下り坂があります。ここは見た目は風流で素敵ですが、湿っていると滑りやすいので、注意が必要です。
近露王子の直前の石畳(牛馬童子から近露王子までの間)
【おすすめの靴】
山道のみのルートでは、一度歩き始めると、途中で熊野古道から出るのが難しいです。
歩く時間が長く、疲労感が溜まった頃に足元の石ころで足をねじりやすいです。
また、湿潤な場所では、湿った石畳を歩く際に滑りやすいです。
楽しく歩きに来たのに、足首をねじって悲惨な目にあう・・・
その確率を下げるなら、ミドルカットやハイカットの登山靴で歩く方が安心です。
実際に熊野古道(小広王子から熊野本宮大社までの区間)を歩いていると、約3/4の方がミドルカットの登山靴を履いていました。
聞いてみると、紀伊田辺駅や近露王子から歩いている方でした。数日かけて歩く人ほどミドルカットの登山靴を使っている印象です。
熊野古道 中辺路ルートのある田辺市内のスポーツ店に靴を買いに行ったら、これぐらいの靴がいいよと言われて、私はこれを購入して使用しています(ミドルカットの登山靴)↓
私の詳しいレビューはこちらです