熊野古道を歩き始めたのは、
コロナ禍で人との接触が減り、やることもなく、
本当に何となくでした。

特別な理由があったわけでもなく、
何かを変えたいと思っていたわけでもありません。
ただ、歩けそうだったから歩いた。
それだけです。
熊野古道は、地元に昔からありました。
でも、意識して見ることはなく、
気づけば生活の一部のような道でした。
観光地というより、
「そこにあった道」を歩いていただけだったと思います。

最初は、景色を見たり、
地元の良さを再発見したりしながら歩いていました。
けれど、何度か歩くうちに、
森林の中を黙々と進む時間と空気感が、
心地よく感じるようになりました。
何も考えていないつもりなのに、
ふっと、考えが浮かぶことがあります。
なぜ、何度も歩いてしまうのか。
はっきりとは、わかりません。
ただ、気づくとまた歩いています。
理由がなくても、
また戻ってきてしまう道なのだと思います。